これから転職活動をスタートするSEの方は、「転職回数を安易に増やしてしまっていいのだろうか?」と悩むことがありますよね。
実際のところ、過去の転職回数は転職活動にどれだけの影響を与えるのか気になるところです。
今回はその編の事情を調査してみましたので報告します。
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調査方法
調査方法として、以下3つの項目、
人事担当者のアンケート(リクルート調べ)
実際の転職者の体験
筆者が転職した時の体感
を参考とし、総合的に結論を出したいと思います。
人事担当者のアンケート
<参考:リクナビNEXT>
上記の通り、「3回以上の転職暦は気になる」という人事担当者が最も多いという結果です。
1回や2回の転職暦で気になると応えた人事担当者は全体の16%しかいませんでした。
また、何故転職回数が気になるのか?については、人事担当者として以下の不安があるからだと分かりました。
「複数の転職経験者について抱いている不安は、"入社後すぐ離職してしまうことへの不安"と"スキル不足の懸念"です。
採用者の立場では社員の定着率を保つことを考えています。長く働いている人を採用したいので、転職回数が多い人はまたすぐ辞めてしまうのではないかと不安になります。
また、1社あたりの定着が長いと、スキル・知識が低いではないか、と懸念してしまいます。」
まあ人事担当者の気持ちを考えると分かる気はしますね。
しかしアンケート結果にも出ている通り、今の時代1,2回の転職は普通で、様々な経験を積んできたとプラスに解釈されることもありますので、過度に気にすることはないのではないかと思います。
ちなみにこのアンケートはIT業界に限らず全業種含めてのものです。
そのため、他業界と比べて転職が活発なIT業界で絞れば、もっと転職回数に寛容な結果になるでしょうね。
とりあえずこの結果だけを見ると、3回前後までは転職回数は気にしなくていいようです。
しかしこのアンケートがデータとしてどれだけ信用できるものなのか分からないので、次は実際の転職者の経験について調査してみました。
実際の転職者の体験
次に、実際に複数回転職をした人の体験談(転職回数の多さは転職に不利になるのか?)を調査してみました。
すると、こんな声がありました。
「私は転職回数7回を誇る50代独身のおっさんですが、転職回数が多いのは確かに不利に感じることもあります。ただ、私は豊富なスキルでそれを補っています。」/50代男性
「30代後半で8回転職したが、この業界では転職回数が多いやつはザラにいる。そこまで気にすることはない。」/30代男性
「外資系ITやベンチャーは日本の一般的な企業倫理では動いていない。会社の合併、会社都合退職が多いので、転職回数が多いことは仕方ないととられている。」/30代男性
「転職回数より年齢がどれだけいっているのか?をより気にされているように感じた。」/30代男性
「転職回数が多い人というのは管理職側になれなかった人という評価になる。つまり職人タイプの技術者を拒む企業は多いと感じる。」/40代男性
「経歴は申し分ないが、転職回数が9回もある。転職回数を理由に不採用になった経験がある。」/40代男性
「転職回数が4回だが、不利になっていると感じることはある。ま、業界が様々な場合さらに評価は悪く、「一体、貴方は何がしたいの?」という風に取られてしまう。」/30代男性
「25歳で3回転職しているが、職種を統一しているため、面接ではそんなに不利になると感じたことはない。」/30代女性
調査してみて思ったのは、転職回数が多い人は意外と多いということ。
8回、9回以上の人はザラで、逆に言うとその回数まで問題なく転職できたってことですから、なんとかなるもんですね。笑
面白いと思ったのは、外資系やベンチャーIT企業と一般IT企業では企業風土が全く違うため、外資系で転職回数が多くなるのは仕方ないと受け止められるってことです。
外資系はヘッドハンティングや会社の倒産、合併、またリストラも多いので、その分転職回数が増えてしまうのは仕方ないそうです。
あとは、同じ転職回数でも、同じ業種での転職と、色んな業種での転職では受け取られるイメージが全く違うと言うことです。
前者ではステップアップとアピールすることも出来ますが、後者では「何がしたいの?」とマイナスイメージに受け止められがちなようです。
⇒「IT業界からの転職で別の業界に行くのは、おすすめしない」
筆者が転職活動をした時の体感
「ブラックIT企業から中堅企業への転職を成功させた私のプロフィール」でも書いていますが、28歳の私は過去2度の転職を経験し、今の会社は3社目になります。
今の会社の面接を受けた当時は26歳だったのですが、転職経験1回という状態でした。
で、実際に転職回数で不利だと思ったことは全くありませんでした。
ただし、もちろんそれぞれの会社を何故辞めたのか?という理由は聞かれます。
そのときに人事担当者が納得できる答えさえ用意していれば、転職回数の多い少ないは不利な要素にはならないと思っています。
結局、就職活動はどれだけ人事担当者を安心させることが出来るか?のゲームみたいなもんですからね。
「会社を辞める若者が続出!仕事は3年は続けるべき?否、若者はもっと転職するべきである」でも書いていますが、もし今の会社が嫌で仕方ない!という状態の人は、そこまで悩まず転職してしまえばいいと思います。
転職活動に踏み切れない理由の一つに「転職回数を増やしたくない」という理由があるのならば、なおさら思います。
転職回数が増えることは、多くの人が考えているより転職に不利にならないです。